転職活動を行う際、避けては通れないのが採用面接です。
常に一発勝負となる面接に於いては、志望度が高いほどしっかりとパフォーマンスを発揮出来るよう入念に準備をしたいものです。
インターネット上には「面接でよく聞かれる質問ベスト30~50」などの記事をよく見かけますが、
現職企業での業務と並行して転職活動を行う際は、多くの質問に対して個別に回答を用意するだけの対策時間を割けないのも正直なところです。
そのため、効率よく転職活動を行うために、いくつかのポイントを覚えていただき、面接対策に役立てていただけると良いかと思います。
- ・そもそもなぜ企業は面接を行うのか
- ・企業が求める人物像
- ・面接でよく聞かれる質問と対策
- ・まとめ
- ■もくじ
目次
そもそもなぜ企業は面接を行うのか
まず、前提のお話になりますが、面接=採用試験となります。
進学試験や資格試験の際にはペーパー試験のみで面接は行わないというケースが多い一方で、
企業の正社員採用試験では、筆記試験を行わないケースはあっても面接を行わないというケースは聞いたことがありません。
では、なぜ企業はそこまで「面接」を重視するのでしょうか。
それは、履歴書職務経歴書や筆記試験では判断ができない人物像(人柄)や能力、ポテンシャルなどを見極め
優秀な人材を採用するためです。
企業が求める人物像
では、優秀な人材とはどのように定義されているのでしょうか。
能力的な側面は企業や職種により様々に定義されますが、
人物像としては「中長期的に会社に大きな成果をもたらし続けてくれる人」
と定義されるケースが多いです。
そのため、面接試験に於いて「中長期的に会社に大きな成果をもたらし続けてくれる人」かどうかを見極めるため、
「長期就業してくれそうか」と「入社した際に成果をあげられる能力が備わっているか」という2点を質問を通して確認をしていきます。
面接でよく聞かれる質問と対策
それでは、上記記載の見極めをどのように行うのかですが、「入社した際に成果をあげられる能力が備わっているか」
に関しては職種によって質問内容が異なるため、ここでは「長期就業してくれそうか」に関して具体的な質問と対策を記載していきます。
実際に、職種や年齢に関係無く、面接でよくされる質問は以下の4つとなります。
そのすべてが「長期就業してくれそうか」の見極めに繋がっていきます。
- ■ 自己紹介
- ■ 転職理由 ⇒ 過去
- ■ 志望理由 ⇒ 現在
- ■ キャリアパス ⇒ 未来
自己紹介
選考ポイント:
①端的に話せるか
②アピアランス
一般的に「これまでのご経歴を簡単に教えてください」等と言われることが多く
自己紹介というよりは過去の経歴の説明を求められています。
選考のポイントは「①端的に話せるか」と「②アピアランス」の2点で
自社のお客様の前に出たらどのような印象に移るかを探っています。
①端的に話せるか
自己紹介は、目安1分以内で纏めましょう。
面接対策本には自己PRや志望理由を入れましょうなどと記載もありますが、
そのような内容は後に質問されますので、これまでの略歴と実績を端的に回答しましょう。
②アピアランス
これは、直訳すると「外観、容貌」という意味ですが、
ここでは「身だしなみ、立ち振る舞い、言葉遣い」と位置付けています。
男性であれば
髪型、髭、爪といった部分に清潔感があるか。
スーツに皺が寄っていないか。Yシャツにアイロンはかかっているか。
靴は汚れていないか。といった服装に清潔感があるか。面接中の姿勢や目線。
女性であれば、髪の色が明るすぎないか、メイクが華美で無いか、などが加わります。
上記のような視覚的な要素に加え、煙草や香水の匂いといった嗅覚や
話す声の大きさやトーン、鼻息や貧乏ゆすりなどの聴覚的な要素を踏まえて選考されています。
転職理由
選考ポイント:
③同じ理由で辞めないか
④納得出来る理由か
早期離職に繋がる入社後のミスマッチを防止するため、上記2つのポイントから探っています。
③同じ理由で辞めないか
これは、双方向に起こり得ることですが、
転職理由を教えてください → 年功序列の組織に不満で実力主義の会社に行きたい → 弊社も年功序列です → 採用見送り
転職理由を教えてください → 年功序列の組織に不満で実力主義の会社に行きたい → 前に辞めた●●も同じ事言ってたな → 採用見送り
つまり、求職者が転職した理由と同じ環境が企業にある場合、そして、欠員補充の場合に前任者の退職理由と同じ理由が出てきた場合、
受け答えとして問題無いようにみえても、職場や社風にフィットしないのでは無いかと懸念されその時点で見送りになるケースがあります。
④納得出来る理由か
ここは、面接対策の中で最も重要なポイントです。
求職者は、面接受かりたいので本当の転職理由を隠す事が多い為、
見極めをしたい面接官はこの転職理由を最も詳しく確認します。
一般的に、企業の人事(リクルーター)というのは年間1,000人近くの求職者と接点を持ちます。
良い事だけ言う人は嘘をついてるのではないかと疑われ、悪い事だけ言う人は他責性の強い人で入社後不満ばかり言うのではないかと疑われます。
では、どうしたら良いの?と悩んでしまうところですが、
そもそも、人が転職を考える時ってどんな時かを想像してみると、
仕事もプライベートも充実していて、現状に不満も無く、将来にも何の不安も無い!
こんな人が、「よし、今が絶頂だから転職しよう!」とはほぼならないんです。
何が言いたいかというと、転職をする(検討する)人は何かしら、現在か未来に対して「課題」を感じているんですね。
一般的に、面接のセオリーとしてネガティブワードはNGと記載されていることが多いため、
取り繕った回答を用意して面接に臨んでしまう方が非常に多いのですが、
この「課題」が明確にならないと面接官は納得しないのです。
そのため、以下のような思考のサイクルでお話しされることをお勧めしています。
現状(もしくは将来)に対して●●といった「課題」を感じており、解決のために〇〇といった提案をしたものの、
解決をされる見込みが無いため、新たな環境で▲▲なチャレンジをしたいと考え、転職を決意しました。
ポイントとなるのは、「転職」が目的では無く手段となっており、
転職を決意する前に、自身の課題解決の為に「具体的な行動」を起こしている事です。
志望理由
選考ポイント:
⑤事前に情報収集しているか
例外はありますが、ほとんどの企業の採用担当者は「ぜったいこの会社に入りたい理由」など求めていません。
但し、どの程度自社の事を調べて来ているか = 志望度 という捉え方はするのでしっかりと準備をしましょう。
お薦めの準備方法は、
あ) 業界(マーケット)
い) 事業(会社)
う) 仕事内容
と、いった3つのフレームそれぞれの情報収集を行っておくことです。
ex) 恥ずかしながら、エージェントに紹介されるまで御社の事は詳しく存じ上げていなかったのですが、
●●という仕事内容を拝見し、魅力を感じて情報収集したところ、調べるほどに
御社の展開されている〇〇というサービスや、今後の▲▲業界の△△な将来性に更に魅力を感じ
今回、志望させていただきました。
と、いった感じでしょうか。
余談ですが、面接にありがちな、「御社の〇〇という理念に共感したため」という回答は、あまりお薦めではありません。
理由は簡単で、一般的に共感されづらい理念を掲げている企業は無い事と「理念は理念でしかない」為です。
もし「理念」関連の内容を面接でお話しされる際は、
「1時面接でご対応いただいた●●様が、御社の〇〇という理念を◎◎という風に体現されている事に非常に共感し、魅力を感じました」
という風に「体現」という切り口でお話しされると良いかもしれません。
キャリアパス
選考ポイント:
⑥時間軸入りの目標が入っているか。
企業は長期就業を前提としていますので、未来も選考企業と共にある設定が良いかと思います。
ex)
結婚、出産を経ても産後復帰して働き続けたい。
⇒ 時短でも良いから復帰して欲しいと会社から言われる人材になるために、強みを身に着ける(技術やマネジメント)
10年後の35歳には子供2人産んで復帰。以降働き続ける。
05年後の30歳には結婚。ここまでに強みを身に着けている状態を目指す。
02年後の27歳には、マネジメントポジションに就く。
01年後の26歳には、個人として、トップセールスを獲得する。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
企業によって採用基準は様々ですが、準備の仕方によって少なくとも「長期就業懸念」による見送りは避けられるかと思います。
面接の意味合いや意図を理解する事で準備時間も大幅に短縮されるかと思いますので、
是非皆さんの転職活動にお役立ていただければと思います。